レトロな特許アーケード商店街
中央通り商店街の北端から横断歩道を渡ると、雰囲気がガラリと変わります。中央通り商店街よりもグンとレトロで、より昔ながらの雰囲気が残っています。これが弁天通商店街。少し薄暗く、入り口には珍しい横型の歩行者専用信号機が残っています。歩いて行くと途中に「大蓮寺」というお寺があり、昔はこのお寺の参道として賑わっていたのだとか。また、お寺の池を避けるためにアーケードが途中で曲がっているのが、全国的にも珍しいのだそうです。
中央商店街が一般的に老舗とよばれるような地域の名店(呉服屋さんとか海苔屋さんなど)が多いのにくらべて、こちらは金物屋さんとか帽子屋さんなどより庶民的な雰囲気。店の建物自体はこちらのほうが古いままの雰囲気が残っています。
そしてなんといってもこの商店街のランドマークが、大蓮寺の目の前にある「呑龍飲食店街」という、これまたディープな飲み屋横丁。「呑龍(どんりゅう)」の名前は以前このお寺に祀られていた「呑龍さま」が由来なのだとか。この横丁は群馬にはほとんど残っていない横丁スタイルの飲み屋街で「群馬のゴールデン街?」と呼ばれているそうです。できたのはなんとアーケードより古い昭和22年! まさに戦後ですね。ところが近年では中心街の空洞化や相次いだ大火事などで絶滅の危機にあったそうですが、最近(2021年)地元の有志によりリニューアルされ、横丁全体が元気を取り戻しつつあるようです。HPもあるのでぜひ一度訪ねてあげて下さいな。
弁天通商店街でもうひとつ見つけたのが、アーケードの柱についていた小さな銘板。なんとこのアーケードは柿木式アーケードというもので特許取得なのだそう!
どの部分が特許に相当するのかとても興味深いところですが、帰ってから色々検索したものの、柿木式アーケードやそれを手がけた柿木製作所さんについてまったく手がかりはつかめずでした。かろうじて川崎市にある新城商店街もこの柿木製作所さんが担当されたらしいということがわかったので、今度そちらにもお邪魔してみようと思っています。
ちなみに、この弁天通商店街はレトロな雰囲気がそのまま残っているため、最近ではよくテレビドラマや映画の撮影などにも使われているようです。おかげでレトロ好きの旅人が訪れることも増えているのだとか。寂れていることが逆に魅力になるとは皮肉なものですが、なんとかこの貴重なレトロ商店街が末永く残って欲しいものです。(→オリオン通り商店街に続く)
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