姫路アーケード街【後編】「二階町商店街・西二階町商店街・城巽通り商店街・市民会館前通り商店街」(兵庫県姫路市)

歴史街道の宿場の雰囲気が残るアーケード

昭和初期まではメインストリートだったという二階町商店街

姫路前編で紹介した「みゆき通り」「おみぞ筋」は南北に延びるタテの通りでしたが、これらと交差し東西に延びるヨコのアーケード街もあります。それが「二階町商店街」と「西二階町商店街」です。この通りはかつて京都と下関を結ぶ主要ルート・西国街道(山陽道)だった通りで、参勤交代の宿場として姫路城下でもいちばん賑わっていた場所でした。その後鉄道やら新幹線やらができて町の中心機能は徐々に姫路駅の方に移っていくわけですが、今でもこの二つの商店街にはかつての繁栄の面影を感じることができるレトロな商店街となっています。

■二階町商店街

そもそもなんで「二階町」なのかというと、江戸時代の城下町には一般的に二階建ての建物は許されてなかったそうですが(参勤交代などの際に行列を見下すことになり失礼だからなのだそう)、ここだけは播磨国総社と長壁神社を繋ぐ参道として発展していたので例外的に二階建てが許可されたそうです。そのため、当時としては珍しい二階建てがこのあたりに建てられたことで「二階町」になったと言われています。

二階町商店街はドーム屋根のアーケード

歩いてみると、まず呉服店や着物店などが多いことに気づきます。二階町の一本南にある魚町通りのあたりは「呉服町」という町名ですから、当然といえば当然でしょうか。かつては宿場も本陣であり、戦前までは今のメインストリート「みゆき通り」よりも賑わっていただけのことはありますね。

二階町商店街を歩いていていちばん目を引いたのが神社・神様関連の用品を扱う「宮宗神具店」さんです。大正14年創業だそうで、そのレトロさは見ただけでワクワクしますね。

レトロな宮宗神具店

また、これは二階町だけでないのですが、姫路の町は「婚礼用品」や「結納用品」の店が多いような気がします。地域柄なのかもしれませんが、東日本で結納用品店というものをほとんど見た記憶がありません(目に入ってもスルーされていただけかもしれませんが)。

百年の歴史があるという結納用品ヱリサさん(※のちに閉店されたそうです)

■西二階町商店街

さて二階町商店街を西に進み、大手前通りを越えるとそこからは西二階町商店街という名前に変わります。アーケードの屋根も三角のピラミッド型になりますが、まず驚いたのがベビー用品の全国チェーン店で知られる西松屋さんの本店があったこと。なんと西松屋さんは姫路発祥の呉服店だったんですね! それが別部門として宮詣り衣装や出産準備品を扱う店舗を作り、現在のような形態になったんだそうです。相変わらず本店は振り袖や着物の店としてがんばっていらっしゃいますね。

ピラミッド型の三角屋根の西二階町商店街

余談ですが、今や全国的なスーパーとして知られるイオングループも、姫路市内にあったフタギというスーパーと、三重のオカダヤ、カワムラなどが合併して誕生したジャスコが前身です。西松屋や眼鏡の三城など、全国チェーンの発祥が多い姫路は商才に長けた人が多いようですね。さすが姫路城城下町!

播磨姫路藩初代藩主・酒井忠恭の碑。ただ、なぜこれがここにあるのか不明。ここに屋敷があったのか?

しかし西松屋さんもそうでしたが、相変わらず着物店や結納用品店が目立つのは二階町商店街と同様です。姫路ってそんなに結納用品の需要が多いのでしょうか。もう気になってしかたありません。この辺は今後も調べてみたいと思っています。

和菓子の伊勢屋本店。創業はなんと元禄年間だそう
やっぱり気になってしかたがない結納用品店「きたの」さん

■姫路一のレトロアーケード「城巽(じょうそん)通り商店街&市民会館前通り商店街」

さて、二階町商店街を西に歩くと西二階町商店街がありましたが、反対に二階町商店街を東に歩くと、二階町商店街が終わるあたりで突然超絶レトロな雰囲気が漂う商店街に出くわしました。アーケードの屋根も見るからに古く、歴史ありそうな店ばかりです。レトロマニアの探知センサーがビンビンに反応して脳内でビービー鳴っています。

この商店街、南側から見ると「城巽(じょうそん)通り商店街」で、北側から見ると「市民会館前通り商店街」となっています。屋根は中央部が布貼りで、両サイドがポリカーボネートの波板のようです。姫路前編でご紹介した本町通り商店街と同じ仕様のようですね。道幅は本町通り商店街の方が二倍ぐらいありますが。

右側にあるめがや佐竹商店さんは戦前から続く鮮魚店

シャッターを下ろしている店舗も多いようですが、まだ頑張っておられる店も見受けられます。上記の写真に写っている「めがや佐竹商店」さんは、この日はシャッターが下りていましたが戦前から続く鮮魚店だそうで、今は四代目の女性店主さんが切り盛りしておられるとのこと(参考記事→神戸新聞NEXT)。

後日かわいいカフェに生まれ変わった「ちから」さん

いちばん気になったのは北端の入口脇にある「ちから」と大きく書かれたお店。こちらは1953年創業のおはぎとうどんが名物の店。こちらでおはぎを買って食べながら歩くことに。(※こちらは後日店舗をリニューアルして和洋両方の要素を取り入れたカフェになったそうです。うどんもおはぎも健在!)

昔ながらの銀トレーに胸キュン

もちろん古い店だけでなく、若い世代がやっていると思われる雰囲気のいい新しい飲食店などもちらほら目に入ります。メインのみゆき通り商店街や二階町商店街よりも家賃が安くて店を新規に始めやすいのかもしれませんね。がんばって欲しいですね。

というわけで、いくつもの商店街が交差し、新旧さまざまなレトロが味わえる姫路の町。思っていた以上に規模が大きく、奥が深いことに感銘を受けました。また、今回は行けませんでしたが姫路モノレールの遺構も残されているので、シナモントーストを味わうためにもぜひまた訪れたいと思っています。【2019年8月訪問】

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