青空ショッピングセンター・六番街(宮崎県宮崎市)

消えゆく日本一危険な商店街

かつては人で賑わった青空ショッピングセンター。中央あたりにある建物が崩壊した(2021年撮影)

メディアでも「日本一危険なショッピングセンター」などというセンセーショナルなキャッチコピーで紹介をされることが多かった宮崎の「青空ショッピングセンター」の取り壊しがとうとう始まったというニュースが飛び込んできました。こちらを訪れたのは2021年。当時は倒壊寸前とは言えまだまだなんとか持ちこたえていたのですが、その後台風などの影響もありさらに大きく倒壊。さすがに放っておくわけにはいかず、宮崎市が略式代執行という形で解体を決めたとのことです。試しにgoogleストリートビューで確認してみたところ、ちょうど解体中の様子が映っていました。あの姿がもう見られないのかと思うと感慨深いです。

ちょうどこのあたりが倒壊して、2024年に取り壊しがはじまった(2021年撮影)

終戦間近の空襲で焼け野原になり、その場所に露天商たちが集まったことから始まったこのエリアは、新鮮な食材が安く買えるとあって、県内外からたくさんの人が訪れていたそうです。昔の写真を見ると、東北や北海道で見られるような一般的な市場と雰囲気が似ていました。しかし近隣にスーパーなどができてから次第に客の姿が減り、さらに長年の老朽化と台風などの災害により、近年では壊滅的な状況になりつつありました。

一時は新看板もかかっていたが結局元の看板だけが残った。「新しい食品が毎日あふれている」と書かれている(2021年)

いつ倒壊してもおかしくないことから一部は立入禁止でしたが、それでも元気に営業を続けるお店もあり、宮崎の隠れた名所としても知られていました。実際、私が訪れたときにも怪しそうな?訪問者がウロウロして(自分もその一人なのですが)、興味深げに建物をのぞき込んだりスマホを向けたりしていました。Youtubeでも撮っていたんでしょうか。

唯一今でも通り抜けられるかつて市場内だった路地。

なんでこのあたりだけ残ったかというと、地権者が多く権利が複雑で、建物の法的持ち主に連絡をとろうにも連絡がとれないケースが多いとのこと。所有者84人のうちおよそ20人が所在不明といいますからその苦労も推して知るべし、です。

まだまだ元気に営業している店もちらほら

どうせなら産業遺産的に残して欲しいとお気楽な部外者は思うのですが、やはり考えてみればそのままでは危険だし、こんな市内一等地が有効に活用されないとは行政にとってみれば大きな損失ですよね。やはり取り壊すしか手はないのでしょう。しかし一部が解体されたとしても、まだまだ権利関係ですべて解体するにはほど遠いようです。当分はその姿を見ることはできそうですね。

こちらの「湯池フライ」さんは有名なお弁当やさん
安くておいしい弁当が大人気で現在でも営業されているそうです(2021年当時)
雨が降ったら雨漏りがすごそうですね
ペットボトルが並んでいるのはネコよけ?
なるほど、よかったですね
2021年にすでに倒壊が始まっていて立入禁止だったエリア(※外から撮っています)
奥の方にもたくさん店があったようすがわかります(※外から撮っています)
それでも倒壊直前まではお店が営業していました
シャッターが降りているものの、こちら側にも通路(路地)があったようす
すぐ隣には地ビールの醸造所も。その名も「青空エール」さん
電線が切れかかっているのも危険ですね。おそらく送電していないとは思いますが
新鮮な食材が安く買えるとあって、昔はたくさんの人で賑わっていたそうです
裏の駐車場から見るとこのような姿になっていました
青空ショッピングセンターと隣接する横丁「六番街」
六番街の路地を入ると、飲み屋さんが軒を連ねる
青空ショッピングセンター近くの歓楽街にかかるネオン看板。企業の宣伝看板が公道全体にかかるのも珍しいのでは?

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  1. ピンバック: 一番街・若草通・文化ストリート商店街(宮崎県宮崎市) – ぶらぶら商店街ときどき百貨店

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