消えゆく日本一危険な商店街
メディアでも「日本一危険なショッピングセンター」などというセンセーショナルなキャッチコピーで紹介をされることが多かった宮崎の「青空ショッピングセンター」の取り壊しがとうとう始まったというニュースが飛び込んできました。こちらを訪れたのは2021年。当時は倒壊寸前とは言えまだまだなんとか持ちこたえていたのですが、その後台風などの影響もありさらに大きく倒壊。さすがに放っておくわけにはいかず、宮崎市が略式代執行という形で解体を決めたとのことです。試しにgoogleストリートビューで確認してみたところ、ちょうど解体中の様子が映っていました。あの姿がもう見られないのかと思うと感慨深いです。
終戦間近の空襲で焼け野原になり、その場所に露天商たちが集まったことから始まったこのエリアは、新鮮な食材が安く買えるとあって、県内外からたくさんの人が訪れていたそうです。昔の写真を見ると、東北や北海道で見られるような一般的な市場と雰囲気が似ていました。しかし近隣にスーパーなどができてから次第に客の姿が減り、さらに長年の老朽化と台風などの災害により、近年では壊滅的な状況になりつつありました。
いつ倒壊してもおかしくないことから一部は立入禁止でしたが、それでも元気に営業を続けるお店もあり、宮崎の隠れた名所としても知られていました。実際、私が訪れたときにも怪しそうな?訪問者がウロウロして(自分もその一人なのですが)、興味深げに建物をのぞき込んだりスマホを向けたりしていました。Youtubeでも撮っていたんでしょうか。
なんでこのあたりだけ残ったかというと、地権者が多く権利が複雑で、建物の法的持ち主に連絡をとろうにも連絡がとれないケースが多いとのこと。所有者84人のうちおよそ20人が所在不明といいますからその苦労も推して知るべし、です。
どうせなら産業遺産的に残して欲しいとお気楽な部外者は思うのですが、やはり考えてみればそのままでは危険だし、こんな市内一等地が有効に活用されないとは行政にとってみれば大きな損失ですよね。やはり取り壊すしか手はないのでしょう。しかし一部が解体されたとしても、まだまだ権利関係ですべて解体するにはほど遠いようです。当分はその姿を見ることはできそうですね。
ピンバック: 一番街・若草通・文化ストリート商店街(宮崎県宮崎市) – ぶらぶら商店街ときどき百貨店